2022年 05月 22日
「仏足石歌」についてもついでに
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以前、「施頭歌」について少しお話しした事がありました。今回、「仏足石歌」なるものについて辞書的な説明をしようかと。人によっては授業で名前だけ聞いて、馴染みのない「仏足石歌」。どのようなものかといえば、
御足跡(みあと)造る 石の響きは 天に到り 地(つち)さへ揺(ゆす)れ 父母がために 諸人のために
のように五七五七七七の形式を取るもののようです。
奈良市の薬師寺境内にある「仏足石」傍の石碑に刻まれた数々の歌がこの形式をとっていた事から、この名があるようです。
さて。そもそも「仏足石」とは何か。そこからして馴染みのない言葉ではあります。文字通り仏陀の足跡を刻印した石の事ですが、古来からインドやスリランカなどで仏陀の象徴として礼拝の対象とされてきました。千輻輪相(車輪状紋様)など妙相を刻むものとされます。
薬師寺境内の仏足石は、天平勝宝五年(753)に智努王が亡き妻を供養するため建立したものとされ、件の石碑には仏の足跡を讃える「恭仏跡」十七首、無常や生死を説いた「呵嘖生死」の四首が万葉仮名で刻まれています。第六句は第五句と類似した内容を繰り返し小さな字で記されます。
なお、件の仏足石に刻まれた歌以外にも、『古事記』『日本書紀』『万葉集』『風土記』にもこの形式の歌は少数ながら見られるそうです。短歌から派生し歌謡の性格が強かったのではないか、とされているようです。
【参考文献】
『日本大百科全書』小学館
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』ロゴヴィスタ
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by trushbasket
| 2022-05-22 17:24
| NF








