2022年 10月 11日
大正天皇御製漢詩『聞蟲聲』
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10月に入って一気に冷え込んだ気がします。という訳で、今回も大正天皇御製漢詩の秋を題材にした『聞蟲聲』を扱います。大正三年の御製だそうです。
聞蟲聲
夜來明月照南樓
愛聽階前蟲語幽
想得山中凉氣動
禁園風露又新秋
虫声を聞く
夜来 明月 南楼を照らす
愛し聴く 階前 虫語の幽なるを
想い得たり 山中 凉気動くを
禁園の風露 又た新秋
(石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 191-192頁)
〈超意訳〉
夜になって明るい月の光が南の高殿を照らしている。
宮殿の階の前で鳴いている虫の声を好ましく聞いている。
山の中では、涼しい気が湧き起こっているのだろうと想像される。
皇居の庭でも、風や露が見られ初秋の気配がしているのだ。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
●○○●●○◎
●△○○○●◎
●●○○○●●
△○○●●○◎
殷脚は「楼、幽、秋」の下平声十一尤。
以下は、語句解説です。
・夜来
「昨夜以来」または、「夜になってから」。
・虫語
虫の鳴き声。
・幽
奥深く物静か。
・凉
「涼」と同じ。
・禁園
皇居の庭園。
・風露
風と露。
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『中日辞典 第三版』小学館
『大辞林』三省堂
『普及版 字通』平凡社
『動植物名よみかた辞典 普及版』日外アソシエーツ
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
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by trushbasket
| 2022-10-11 00:32
| NF








