2022年 11月 22日
「大津袋」〜棗を濃茶に用いる際の袋、元は米の麻袋?〜
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茶の湯の世界では、濃茶(一碗に多めの茶を入れて点てる、より上質の茶が用いられる)を用いるときは陶製の茶入、薄茶(一碗に茶杓二杯程度で点てる)の時は漆器の薄器を用います。その薄器の代表が「棗」と呼ばれる、縦長の丸い器。この辺の詳細は以前にもしましたので、できたらこちらもご参照くださいな。
しかしながら、棗など薄器が濃茶に使われないかといえば、そうでもないようで。道具の取り合わせなどによっては、棗が濃茶器とされる事もありえるそうです。そんな時、棗をどう扱うのか。今回はそれに関連したお話。
濃茶で通常通り茶入を用いる際は、「仕覆」と呼ばれる専用の袋に入れた状態で客の前に出されます。仕覆は、金襴(金糸で模様を出した織物)や緞子(繻子で模様を出す織物)といった豪華で高価な織物を用いて作られるのが通例。では、棗の場合はと言うと、「大津袋」と呼ばれる縮緬の袋が用いられます。伝承によれば、千利休、もしくは利休の妻・宗恩が近江国大津から京に米を運ぶための麻袋を見てその形を模したのが始まりだそうで。そのため「米袋」と呼称される事もあります。
なお、棗を濃茶器として用いる際は、大津袋だけでなく、中棗を仕覆に入れる「仕覆棗」、帛紗(点前の際に茶器を拭ったり、客が道具を拝見したりする際に用いる正方形の絹布)で包む「包帛紗」といった方法が取られることもあるそうです。
【参考文献】
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
淡交社編集局編『茶の湯Q&A』淡交社
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「円能斎と濃茶「各服点」について〜こんな時代だからこそ再び脚光を浴びているようです〜」
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by trushbasket
| 2022-11-22 22:33
| NF








