2023年 01月 18日
「忘水」とは〜恋歌にも出てくる「人に知られぬ流れ」
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今回は、『続古今和歌集』を題材に恋歌で用いられた地形絡みの言葉を。すなわち「忘水」について。
という訳で、今回は『続古今和歌集』巻第十五恋歌五から。
百首御歌の中に 順徳院御歌
おもひ出よ 木のはのしたの 忘水
うつりし色に たえははつとも
〈超意訳〉
思い出してほしい、木の葉の下に人知れず流れる忘水のように、人知れぬ我が思いを。木の葉の色が変わって流れが絶え果てるかのように、人の心が変わって私が絶え果てたとしても。
寄水恋を 修明門院大弍
あふことは さてや山田の わすれ水
ぬれにし袖は ひるよなけれど
〈超意訳〉
貴方との逢瀬は、山の田に人知れず流れる忘水のように忘れられたものになったようだ。私が貴方を思い袖を濡らすのは、昼も夜も変わらないというのに。
この「忘水」とは、野中などを絶え絶えに流れている水、または人に知られないで流れている水を指すそうです。
恋歌というのは、色んな言葉がものの喩えとして使われているものですな。
【参考文献】
『続古今和歌集 下』吉田四郎右衛門尉刊行
『精選版 日本国語大辞典』小学館
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by trushbasket
| 2023-01-18 21:09
| NF








