2023年 04月 13日
大正天皇御製漢詩「清明」〜時期は少し過ぎましたけど〜
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今回は久々に、大正天皇御製漢詩を。お題は『清明』。
清明とは春分から十五日目、太陽暦で言えば四月四日ごろ(今年は五日だったそうで)にあたります。だから、厳密には過ぎてしまってるんですけどね。この清明、中国では古くから郊外に出て墓参などをする日とされていました。この清明を題材にした有名な詩を、以前にご紹介した事はあったかと思います。
関連サイト:
「Hint-Pot」(https://hint-pot.jp)より
「二十四節気「清明」の意味 2023年はいつ? 花祭りは甘茶でご利益」(https://hint-pot.jp/archives/167072)
今回は、この清明を題材にした大正三年の御製を取り上げようかと。
淸明
淸明時節柳垂絲
爛漫紅桃花滿枝
好向駐春閣邊過
東風習習午晴時
清明の時節 柳 糸を垂る
爛漫たる紅桃 花 枝に満つ
好し 駐春閣辺に向かって過ぎん
東風習習たり 午晴の時
(ともに石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店 177頁)
〈超意訳〉
清明の頃になると、柳が糸のように細い枝を垂れ下がらせる。
咲き誇った紅の桃の花が枝一杯だ。
よし、駐春閣の辺りまで足を運ぼう。
よく晴れた昼時、春風がそよそよと吹いている。
起句「清明時節」は伝杜牧『清明』の冒頭に倣ったものですね。やはり清明の詩といえばあの作なのでしょう。
平仄及び押韻は下記の通り。○が平声、●が仄声、△はいずれも可、◎は韻脚になります。平仄を始めとする漢詩の規則については、こちらをご参照ください。下にあるサイトも参考にしました。
関連サイト:
「平仄くん」(http://kanshi.work/pinyin/index.php)
○○○●●○◎
●△○○○●◎
●●●○●○△
○○●●●○◎
以下、語句解説です。
・垂糸
・爛漫
花が咲き乱れる様子
・好
「よし」
・習習
風が和らいで吹く様子
【参考文献】
石川忠久編著『大正天皇漢詩集』大修館書店
『精選版 日本国語大辞典』小学館
『日本大百科全書』小学館
『世界大百科事典』平凡社
『大辞泉』小学館
『大辞林』三省堂
『普及版 字通』平凡社
『動植物名よみかた辞典 普及版』日外アソシエーツ
『角川新字源改訂版』角川書店
新田大作『漢詩の作り方』明治書院
菅原武『漢詩詩語辞典』幻冬社ルネッサンス
「日本漢字能力検定 漢字ペディア」(https://www.kanjipedia.jp)
関連記事:
「大正天皇御製漢詩「駐春閣」を鑑賞する〜今年も、春が来ました〜」
by trushbasket
| 2023-04-13 20:30
| NF








