2025年 02月 11日
白炭は河内の名物〜南北朝好きは妄想する〜
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茶の湯に炭は欠かせないもの。炭といえば黒いものが多いですが、中には白炭なんてのもあるそうです。黒炭が櫟や楢を竈で乾溜した後に徐々に冷やして作るのに対し、白炭は灰や土をかけて急速に温度を下げることで表面が白く粉を吹いたようになるんだとか。
『茶湯古事談』によれば白炭は直接手に持っても汚れないことから公卿官女に愛用され宮中で用いられていたそうです。古くは和泉国の横山が名産地で、やがて河内国の千釼破(ちはや)や光滝寺でも焼かれるようになったそうです。
河内長野市の公式サイトによれば、『金剛寺文書紛失状』の中の建久元年(1190)の「国司庁宣案」で白炭に言及されているそうですから、遅くとも平安末から鎌倉初期までにはこの地域で白炭が焼かれていた事になります。そしておそらくは朝廷に納められていた。
関連サイト:
「河内長野市」(https://www.city.kawachinagano.lg.jp)より
「市指定 炭焼道具 附 枝炭」(https://www.city.kawachinagano.lg.jp/site/history/5552.html)
ところで。河内国、それも千早と朝廷との繋がりといえば。楠木正成を連想するのは自然な流れ。楠木氏はまだまだ分からない事が多いものの、現地で産出する辰砂(水銀)の採掘権を持ちそれを通じて富を蓄えたという説が唱えられたりはしています。
ひょっとすると、白炭に関わる利権も持っていて、その縁で朝廷と繋がったり…とかはないんでしょうか?そうした記述には今までぶつかった事はないですが、南北朝愛好者としては妄想が広がる話ではあります。
【参考文献】
『NHK趣味どきっ!茶の湯 武者小路千家 炉中に広がる世界 2024年12月』NHK出版
『日本大百科全書』小学館
by trushbasket
| 2025-02-11 23:13
| NF








