セリーグ各球団の歴代優勝監督について、現役時代守備位置をみる

　先日、阪神タイガースが2年ぶりにリーグ優勝を果たしました。個人的には昨年は惜しかっただけに喜ばしい限りです。なんでも、史上最速優勝なんだそうで喜びもひとしお。藤川球児監督、就任一年目の快挙です。現役時代は伝説的クローザーとして名をはせ、監督としても早速結果を出して見せました。

　さて。一般的にはプロ野球の監督は捕手出身が良く投手出身はあまり結果を残せないケースも多いと言われているのを聞いた気がします。ただし、阪神の歴代優勝監督を見るに

阪神タイガース

石本秀一　投手　37秋、38春

若林忠志　投手　44, 47

藤本定義　投手　62, 64

吉田義男　内野手　85☆

星野仙一　投手　03

岡田彰布　内野手　05, 23☆

※和田豊　内野手　14

藤川球児　投手　25

となっています。なお☆は２リーグ分立後の日本一を表し、※はリーグ優勝はしていませんがクライマックスシリーズに勝ち日本シリーズ進出した事を表します。監督の現役時代におけるポジションはWikipediaを参照してます。あしからず。

優勝監督は7人、うち投手5人内野手2人

日本シリーズ進出監督も入れると8人、うち投手5人内野手3人

回数で言えば投手8回内野手3回

日本シリーズ進出監督も入れると投手8回内野手4回

　阪神に関する限り、人数から言っても回数から言っても投手出身監督の時に栄光がもたらされている印象。今年の藤川監督もいうまでもなく投手出身です。ただし日本一になったのは今のところいずれも内野手出身監督のとき。kン後どうなるのやら。

　せっかくなので、セリーグ他球団はどうなのかも調べてみました。

読売ジャイアンツ

藤本定義　投手　36秋、37春、38秋-42 7回

中島治康　外野手　43

三原脩　内野手　49

水原茂　内野手　51-53, 55-59 8回

川上哲治　内野手　61, 63, 65-73 11回

長嶋茂雄　内野手　76, 77, 94, 96, 00 5回

藤田元司　投手　81, 83, 89, 90 4回

王貞治　内野手　87

原辰徳　内野手　02, 07-09, 12-14, 19, 20 9回

阿部慎之助　捕手　24

日本一は51-53, 55, 61, 63, 65-73, 81, 89, 94, 00, 02, 09, 12です。回数多くてめんどくさいんでこのチームに関する限り、一々☆つけてません。

優勝監督は10人、うち投手2人捕手1人内野手6人外野手1人

回数で言えば投手11回捕手1回内野手35回外野手1回

　投手・捕手・内野手・外野手が一応そろってます。ただし内野手が圧倒的ですね。水原、川上、原と伝説レベルの名将を多く輩出したのが大きい。しかし投手も意外と奮闘しています。藤本、藤田と名将二人が数字を稼いでる。意外なのは捕手、去年の阿部監督が初めてだったんですね。

中日ドラゴンズ

天知俊一　捕手　54☆

与那嶺要　外野手　74

近藤貞雄　投手　82

星野仙一　投手　88, 99

落合博満　内野手　04, 06, ※07☆, 10, 11

優勝監督は5人、うち投手2人捕手1人内野手外野手1人ずつ

回数で言えば投手3回捕手1回内野手4回（日本シリーズ進出は5回）外野手1回

　ここも投手・捕手・内野手・外野手そろってます。そしてやはり投手出身監督の頑張りが目を引きます。あとは、落合監督の名将ぶりも光ります。

広島東洋カープ

古葉竹識　内野手　75, 79☆, 80☆, 84☆

阿南準郎　内野手　86

山本浩二　外野手　91

緒方孝市　外野手　16-18

優勝監督は4人、内野手外野手2人ずつ

回数で言えば内野手5回外野手4回

　以外にも捕手出身監督の優勝がありません。古葉監督はやはり名将。緒方監督もよく頑張っていたのが分かります。

東京ヤクルトスワローズ

広岡達朗　内野手　78☆

野村克也　捕手　92, 93☆, 95☆, 97☆

若松勉　外野手　01☆

真中満　外野手　15

高津臣吾　投手　21☆, 22

優勝監督は5人、投手1人捕手1人内野手1人外野手2人

回数で言えば投手2回捕手4回内野手1回外野手2回

　ここも投手・捕手・内野手・外野手そろってます。やはり野村監督が目立ちます。

横浜DeNAベイスターズ

三原脩　内野手　60☆

権藤博　投手　98☆

※ラミレス　外野手　17

※三浦大輔　投手　24☆

優勝監督は2人、投手と内野手。

日本シリーズ進出監督も入れると4人、投手2人内野手外野手1人ずつ、回数も同じく

　ここも捕手出身監督の姿はありません。

　消滅球団についても見ておきますと

松竹ロビンス

小西得郎　内野手　50

　小西氏の守備位置についてはこちらを参照。

関連サイト:
「野球の記録で話したい」（https://baseballstats2011.jp）より
「小西得郎という野球人」（https://baseballstats2011.jp/archives/38033317.html）

　セリーグに関する限り、広島と松竹以外は投手出身監督で優勝した経験を持ってます。投手出身監督での優勝が多くを占めるのは阪神くらいでしたが、それでも巨人も投手出身監督で二けた優勝。捕手出身監督で優勝したことがないのは阪神、広島、DeNA、松竹。セリーグに関する限り、捕手はノムさんが気を吐いている感があります。そして内野手が圧倒的ですね。どのチームも内野手出身監督で優勝の経験持ち。松竹以外は内野手出身監督での日本一も経験しています。外野手出身監督で優勝した経験があるのは巨人、ヤクルト、広島、中日。ただし複数回優勝している外野手出身監督は緒方監督だけでした。

　阪神は投手出身監督での優勝が多い事が判明。そしてこれがセリーグの中で異例なことも。パリーグではどうなのか、また気が向いたら調べてみたいと思います。