2007年 08月 02日
過去のお騒がせ横綱たち
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Excite エキサイト : スポーツニュース
「朝青龍許すな!“仮病疑惑”に横審がファンが激怒」 サンケイスポーツ
横綱・朝青龍の「巡業サボリ・仮病疑惑」が大問題となっているようですね。確かに品格を求められる横綱としては責められてもやむを得ない所業でしょうが、これによって普談はニュースになりにくい相撲関連の話題が盛り上がっているのも事実ではあります。
さて、過去の事例で今回と類似しており、引き合いに出されるのが戦後間もなくの横綱である前田山。彼は病気を理由に本場所を休場しましたが、その翌日に日米親善野球を観戦してサンフランシスコ・シールズのオドール監督と握手する写真が新聞に掲載されました。これが大問題となり、前田山は引退に追い込まれます。この時も、横綱の「品位」が問題とされて負け越し二場所で格下げする案が出されたりもしています。「横綱審議委員会」が設立されたのもこれがきっかけであったようです。
今回について言えば、朝青龍は引退させられなかっただけよしとすべきかもしれません。まあ、実力で群を抜いている彼を追放するというのは実際問題難しいでしょうが。
ついでに、過去においてその行動が問題になった横綱を挙げて見ましょう。
玉錦:
戦前屈指の実力者で、稽古熱心で後輩の面倒見も良い力士でした。しかし、喧嘩早く粗暴であるとも言われ、真偽の程は不明ですが好成績に関わらず大関に昇進できなかった時期に出羽海親方を日本刀で追い回したという伝説も残っています(一方で実の師匠である粂川を心から慕っており献身的に看病したと言われています)。三連覇を果たしたり、横綱不在になったりしても中々横綱になれなかったのは粗暴さが原因とも言われています。
双葉山:
実力・品格とも力士の理想像と言われています。親方・理事長としても業績を上げています。そんな双葉山ですが、引退直後には新興宗教・璽光尊に入信して騒ぎを起こし逮捕された事もあります。
前田山:
強豪大関として長年土俵を盛り上げ、現役晩年に功績を称える形で横綱になりました。喧嘩早いことで知られており、昇進時に粗暴の振る舞いがあれば横綱免許を取り消すという前代未聞の条件が付いていました。昇進後は振るわず、唯一の勝率五割未満横綱となっています。引退時の騒ぎについては上述。
輪島:
初の学生相撲出身横綱。左下手投げを得意とし、14回の優勝を誇りました。ホテルから稽古場に通うなど、破天荒な行動が目立ち、時に自分勝手と非難されています。引退後には年寄株を担保に入れて借金していたことが判明し角界を追放されました。
双羽黒:
素質に恵まれスピード出世を遂げましたが、稽古をサボる事が問題とされたほか破天荒な行動が目立ち非難されています。親方と口論の末に部屋を飛び出して廃業となりました。
貴乃花:
平成期における第一人者。ただ、素行面では時にしきたりを弁えないとして避難されることもありました。また、自己啓発による洗脳・父や兄との絶縁と言った騒動で世間を騒がせてもいます。
こうしてみると、晩年に横綱になった前田山は別として、横綱としても強い部類に入る人が多いような気がします。考えてみれば、横綱となる人はスポーツ選手としての黄金期、すなわち20-30歳代という若い年齢で品格・人格の成熟を求められる訳ですね。「神」としての側面があるとはいえ、中々厳しい面があります。まして、相撲以外の世界を知らず世間の常識に欠けがちだったりで余計に難しいのかもしれません。そうした中で品格を求め求道的になったとしても、今度は双葉山・貴乃花のように(一時的とはいえ)カルトの餌食になったりする危険もあったりする。
今回の朝青龍が浅慮なのは事実ですが、「心技体の充実」というのは本当に難しいのだな、と痛感して今回は締めます。
【参考文献】
昭和の横綱 小坂秀二著 冬青社
大相撲親方列伝 石井代蔵作 文藝春秋社
大相撲通になる本 双葉社
関連記事(2009年5月17日新設)
「木鶏」
金太郎あるいは坂田金時伝 ~熊と戦う天才少年戦士はその後いかなる功業を打ち立てたか~
外国から見た日本、日本から見た外国―娯楽文化の視点から―(後半)
歴史研究会関連レジュメ
「横綱の歴史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1997/971205.html)
細部に誤謬があるかもしれないので、話半分に読んでください。
「日本民衆文化史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2002/021206.html)
相撲の話も多少あります。
朝青龍関連で
「ウランバートル都市史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1999/991015.html)
「朝青龍許すな!“仮病疑惑”に横審がファンが激怒」 サンケイスポーツ
横綱・朝青龍の「巡業サボリ・仮病疑惑」が大問題となっているようですね。確かに品格を求められる横綱としては責められてもやむを得ない所業でしょうが、これによって普談はニュースになりにくい相撲関連の話題が盛り上がっているのも事実ではあります。
さて、過去の事例で今回と類似しており、引き合いに出されるのが戦後間もなくの横綱である前田山。彼は病気を理由に本場所を休場しましたが、その翌日に日米親善野球を観戦してサンフランシスコ・シールズのオドール監督と握手する写真が新聞に掲載されました。これが大問題となり、前田山は引退に追い込まれます。この時も、横綱の「品位」が問題とされて負け越し二場所で格下げする案が出されたりもしています。「横綱審議委員会」が設立されたのもこれがきっかけであったようです。
今回について言えば、朝青龍は引退させられなかっただけよしとすべきかもしれません。まあ、実力で群を抜いている彼を追放するというのは実際問題難しいでしょうが。
ついでに、過去においてその行動が問題になった横綱を挙げて見ましょう。
玉錦:
戦前屈指の実力者で、稽古熱心で後輩の面倒見も良い力士でした。しかし、喧嘩早く粗暴であるとも言われ、真偽の程は不明ですが好成績に関わらず大関に昇進できなかった時期に出羽海親方を日本刀で追い回したという伝説も残っています(一方で実の師匠である粂川を心から慕っており献身的に看病したと言われています)。三連覇を果たしたり、横綱不在になったりしても中々横綱になれなかったのは粗暴さが原因とも言われています。
双葉山:
実力・品格とも力士の理想像と言われています。親方・理事長としても業績を上げています。そんな双葉山ですが、引退直後には新興宗教・璽光尊に入信して騒ぎを起こし逮捕された事もあります。
前田山:
強豪大関として長年土俵を盛り上げ、現役晩年に功績を称える形で横綱になりました。喧嘩早いことで知られており、昇進時に粗暴の振る舞いがあれば横綱免許を取り消すという前代未聞の条件が付いていました。昇進後は振るわず、唯一の勝率五割未満横綱となっています。引退時の騒ぎについては上述。
輪島:
初の学生相撲出身横綱。左下手投げを得意とし、14回の優勝を誇りました。ホテルから稽古場に通うなど、破天荒な行動が目立ち、時に自分勝手と非難されています。引退後には年寄株を担保に入れて借金していたことが判明し角界を追放されました。
双羽黒:
素質に恵まれスピード出世を遂げましたが、稽古をサボる事が問題とされたほか破天荒な行動が目立ち非難されています。親方と口論の末に部屋を飛び出して廃業となりました。
貴乃花:
平成期における第一人者。ただ、素行面では時にしきたりを弁えないとして避難されることもありました。また、自己啓発による洗脳・父や兄との絶縁と言った騒動で世間を騒がせてもいます。
こうしてみると、晩年に横綱になった前田山は別として、横綱としても強い部類に入る人が多いような気がします。考えてみれば、横綱となる人はスポーツ選手としての黄金期、すなわち20-30歳代という若い年齢で品格・人格の成熟を求められる訳ですね。「神」としての側面があるとはいえ、中々厳しい面があります。まして、相撲以外の世界を知らず世間の常識に欠けがちだったりで余計に難しいのかもしれません。そうした中で品格を求め求道的になったとしても、今度は双葉山・貴乃花のように(一時的とはいえ)カルトの餌食になったりする危険もあったりする。
今回の朝青龍が浅慮なのは事実ですが、「心技体の充実」というのは本当に難しいのだな、と痛感して今回は締めます。
【参考文献】
昭和の横綱 小坂秀二著 冬青社
大相撲親方列伝 石井代蔵作 文藝春秋社
大相撲通になる本 双葉社
関連記事(2009年5月17日新設)
「木鶏」
金太郎あるいは坂田金時伝 ~熊と戦う天才少年戦士はその後いかなる功業を打ち立てたか~
外国から見た日本、日本から見た外国―娯楽文化の視点から―(後半)
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「横綱の歴史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1997/971205.html)
細部に誤謬があるかもしれないので、話半分に読んでください。
「日本民衆文化史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/2002/021206.html)
相撲の話も多少あります。
朝青龍関連で
「ウランバートル都市史」
(http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/1999/991015.html)
by trushbasket
| 2007-08-02 00:37
| NF








